笑顔

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「明日会えないのか…」 ふと高木が呟く。 明日は私のバイトが休みの日。 「明日も来るよ。 家に居たくないし! 部屋借りて、ひたすら勉強する」 その事を今考えついた。 「あ、その手があったか! 俺もそうすれば毎日ここに来れるじゃん!」 「休みの時も休憩所に居るから、仕事が出来なくて困ってたんだよな…。 今度からそうしてくれ!」 「じゃ、バイト減らしてカラオケの部屋に居座る。 楓ちゃん休みの時は休みにして!」 高木は家に居る事があまり好きじゃないみたいで、バイトばかりしていた。 休みでも休憩所に出勤して、店長の邪魔をしているらしい。 「24時間お前と一緒に居たくない!」 店長がタバコを吸いながら言った。 「24時間? もしかして、付き合ってるの?」 私が二人を見る。 「(笑)あり得ない! 死んでも嫌だ」 店長が言った。 「真顔でボケるなよ(笑)」 高木にも笑われる。 「高木は俺ん家に居候してんの。 一人暮らしだから、部屋貸してやってんの」 店長が言った。 「あ!いとこって、店長の事なんだ… 私はてっきり付き合ってんのかと…」 「その発想は無いでしょ。 男と付き合うとか、普通考えつかないよな」 高木が首を振りながら言った。
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