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「何もされてないよ。
ただ、ちょっと嫌な事があって…別れちゃっただけ」
「嫌な事?」
高木は手を離してくれず、真剣な表情のまま。
「話すの、明日で良い?」
心の準備をしたい。
話しをするのに勇気がいる。
「別に困らせたくて聞いたわけじゃないから、話せるようになったら話して。
楓に嫌われたくないから、今日はこの話しはおしまい!」
再び笑顔で、手を握り直すと、私を引きずるように家に入った。
姉も両親もリビングで待っていた。
笑顔で迎えられる。
私には向けられた事がなく、久しぶりに皆の笑った顔を見た気がする。
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