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帰り道。
「石川さん、大丈夫なんですか?」
さらはリコに尋ねた。
「大丈夫って?何が?」
「いや、野球をやることですよ。会長に言われたじゃないですか…。」
「怖かったら…さらは止めてもいいよ。私一人になっても頑張るつもりだし。」
「そんな…ここまできてやめるなんて言えませんよ。」
さらは慌てて言った。
するとリコは…
「はははっ、やっぱりさらね。さらに最初に言って正解だった。」
「え?どうしてですか?」
「1番信頼してるし、一緒にいてくれると思ったから。」
リコは笑いながらさらを見る。
「石川さん……。」
「いざとなったら変わり身にするし。」
「えーーーっ!?」
「冗談よ。えと、じゃあ!バイバイ!!」
リコは分かれ道で走って帰った。
「…………はぁ、明日から大変そうだなぁ。」
リコが見えなくなってから、さらはそう呟いた。
「……とても興味深いこと………。紫杏ちゃんに報告。」
その少し後ろでロングヘアの少女、新聞部の野崎維織はメモをとりつつそう言ったのであった。
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