一回表 怒れば投げるという、あれ

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「石川さ~ん…全然…皆、仲間になってくれそうにないんですが…。」 さらが言う。 「なーに言ってるのよ、さら。これからよ。」 あれからあちこちで勧誘したが…収穫は0だった。 そこへ、 「あの、石川さん、芳槻さん。」 「ん?」 金髪さんに声をかけられた。 「雪白さん?」 さらが答える。 金髪の彼女は雪白冬子。 企業の令嬢で、要はブルジョワである。 「何ですか?」 「あなた達、野球のメンバーを集めてらっしゃいますね?」 「ええ、そうだけど?」 「私も入れてくださらないかしら。」 「いいけど……どうして?」 「………あなたたちの熱心な姿勢に魅せられた、ということにしておいてください。」 冬子はそう言った。 「まあ…いいわ。頑張ろうね。」 雪白冬子が仲間になった! すると、 「あれも、どうですか?」 「あれ?」 冬子は遠くにいるアホ毛ピコピコの女の子を指差した…。
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