第二章 白薔薇の城

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「…盗み聞きはよくないかしら」 扉から離れようとしたその時。 「…猫の………、」 「猫はもう……で……」 ………ね…こ? 気がつくと私は目の前の扉を勢いよく開けていた。 「チェシャ猫?!チェシャ猫がどうかしたの?!!」 女王様は大袈裟に、もう一人…とかげのビルはほんの僅かに、驚いた顔をして私を見つめた。 「まぁ!わたくしたちのアリス!!」 「お早いお着きですね、アリス…」 ビルが言い終わらないうちに、女王様が満面の笑みを浮かべ私に抱き着いて来た。 「アリス!わたくしたちのアリス!!わたくしとーっても待っていましたのよっ!!」 く、苦しい… 「…女王様…チェシャ猫は…?」 私の言葉に、私を抱きしめる女王様の力が緩まる。
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