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「…盗み聞きはよくないかしら」
扉から離れようとしたその時。
「…猫の………、」
「猫はもう……で……」
………ね…こ?
気がつくと私は目の前の扉を勢いよく開けていた。
「チェシャ猫?!チェシャ猫がどうかしたの?!!」
女王様は大袈裟に、もう一人…とかげのビルはほんの僅かに、驚いた顔をして私を見つめた。
「まぁ!わたくしたちのアリス!!」
「お早いお着きですね、アリス…」
ビルが言い終わらないうちに、女王様が満面の笑みを浮かべ私に抱き着いて来た。
「アリス!わたくしたちのアリス!!わたくしとーっても待っていましたのよっ!!」
く、苦しい…
「…女王様…チェシャ猫は…?」
私の言葉に、私を抱きしめる女王様の力が緩まる。
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