69人が本棚に入れています
本棚に追加
不意に、コホン、と咳ばらいの音が聞こえた。
ビルだ。
「………女王陛下、そろそろアリスにお話を」
「…わたくしもう少しアリスに抱き着いていたくてよ」
「女王陛下、そろそろアリスにお話を」
同じ台詞を、さっきより少し強い口調で言うビルに、女王様は観念したように渋々私に回した手を解いた。
…帽子屋とネムリネズミのように、この二人にも微妙な力関係があるのかしら…?
女王様は私に向き直り背筋を伸ばしてから口を開いた。
「わたくし達のアリス。貴女にはまだ気付かなければならないことが残っているのです」
「え…」
「それが何かはわたくし達の口からは言えません。貴女自信が気付かなければ意味がない…」
「私はどうすればいいの?どうしたらチェシャ猫は助かるの?チェシャ猫は今どうなってるの?」
最初のコメントを投稿しよう!