第二章 白薔薇の城

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不意に、コホン、と咳ばらいの音が聞こえた。 ビルだ。 「………女王陛下、そろそろアリスにお話を」 「…わたくしもう少しアリスに抱き着いていたくてよ」 「女王陛下、そろそろアリスにお話を」 同じ台詞を、さっきより少し強い口調で言うビルに、女王様は観念したように渋々私に回した手を解いた。 …帽子屋とネムリネズミのように、この二人にも微妙な力関係があるのかしら…? 女王様は私に向き直り背筋を伸ばしてから口を開いた。 「わたくし達のアリス。貴女にはまだ気付かなければならないことが残っているのです」 「え…」 「それが何かはわたくし達の口からは言えません。貴女自信が気付かなければ意味がない…」 「私はどうすればいいの?どうしたらチェシャ猫は助かるの?チェシャ猫は今どうなってるの?」
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