第二章 白薔薇の城

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そういえば前、時間くんを探しに来たときは生首は綺麗に廊下の両脇に並べられていたっけ…。 「あ…、チェシャ猫はいつお城に来たの?」 私の隣を歩く女王様に声をかける。 「住人達を集め始めてすぐに。トランプ兵達を総動員させてなんとか追い返しましたわ。わたくしの鎌もビルの腕もその時に」 そんなことが…。 私が複雑な気持ちでいると、未だに肩に乗っている時間君がぴたぴたぴた、と私を叩いた。 「…?なに?」 「外の白薔薇はその為だ、と言ってます 時間くんの言葉を、先頭を歩くビルが、振り向かないまま伝えてくれた。 「その為?」 「猫避け、ですわ。白薔薇は猫の血が大好きだからよ。猫を追い返した後、城の出入口全てに白薔薇を植えさせましたの」
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