日常っていうものが

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面接会場だ。 あまり人がいない… 受験者少ないのかな? それだったら合格した私凄くないか!? とか考えたりしていたら声をかけられた。 「南さん、ですか?」 「は、はい!」 うわ、変な声でちゃったよ。 「ご案内しますね。」 うっわ~ きちゃう。面接。 心臓バクバクしてきたぁ~。 「失礼します。あ、どうぞお入りください。」 「あ、すいません。」 「はじめまして、南さん。私はここの会長です。お見知りおきを。」 会長!!? いっちばんトップじゃん! なんか…どうなるの。やば。 心臓が…。 「いきなりなんですが、“東神”というグループ、ご存知ですか?」 「はい!あの…所属ここの会社ですよね?大ファンなんです!」 そうなんですよ。大ファンです。だからここのオーディション受けてみたってもあるんだ(笑) 「そうですか。それはよかった。話は早いですね…。」 なんだろ。 もしかしてコラボかな!? やっだ~!マジ?いきなり東神キター! 「もっともっと、東神は上を目指すべきグループなんです。 そして、もっと音楽の幅を広げたいというのが彼らと私の願いでして。」 あ、うん。わかる。 いまのままでも十分凄いけどな~。 そう思ったりするんだ、東神も。 「そこで、先日のオーディションで見つけたんですよ。あなたを。」 「へ!?」 「あなたを新たなメンバーとして、迎えたいのです!」 「あの…。女です。私女ですよ!?」 「わかってます。」 え。大丈夫かこの人。 「あなたの歌。聞かせてもらいましたよ。素晴らしいです。磨けば上にいける歌声なんです。」 「あ、はい…ありがとうございます…。」 なんか、不安になってきた…。 大丈夫かな、変なとこなんじゃないかな。騙されたかな。 「夢は、ありますか?」 突然の質問だった。 普段からあまり夢とか、そういうものに熱心な方ではなかったから、自分はどう答えようか迷っていると思っていた。 でも
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