みんなで臨海学校!(前編)

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中間テストから二週間が経ったとある暑い平日。 各教科のテスト返却で一喜一憂したのも昔のことの様に感じる。 そんなみんなが騒いでいる平日の朝。俺はホームルーム前に俺を待っていた親衛隊の女子生徒数名に握手を求められ、まあ断る理由も無いためそれに応じた。 すると、 「この手は一生洗いません!だから日向さんも洗わないでくださいね!?」 というワケの分からんお願いをされ、とりあえず曖昧に答えてその娘らと別れた。 「相も変わらずよくモテますねぇ」 席に戻った俺に話しかけてきたのは、クラスの委員長である塚本奈緒だ。 塚本奈緒。この雌雄館高校にトップで入る程に大変頭が良く、先日あった中間テストも学年一位になった女の子である。赤いフレームのメガネとポニーテールが印象的だ。 彼女からは三日前くらい前から結構話し掛けられるようになった。俺がクラスに馴染めているか心配ってことなのだろう。 テストで分からなかった問題も教えてくれるし、とにかく話しやすい。 「んなことないって。委員長さんもモテそうじゃん?」 「いえいえ、私は全くです」 と、委員長さんは答えた。言い忘れたが、彼女のあだ名は『委員長さん』である。礼儀正しくて勉強もできる典型的な委員長タイプだし、実際にクラス委員長を務めているためだ。 「そんなことより日向さん。週末の準備はできました?」 みんながざわつく中、委員長はそう尋ねてきた。 みんなが楽しそうにざわつくのは無理もない。 なんてったって今週の金曜日から二泊三日の臨海学校があるわけだからなぁ。
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