みんなで臨海学校!(前編)

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臨海学校とは、『高校生としての自覚を持って落ち着いた集団行動、及び生活態度を学び、より一層勉学に励んでもらうための行事』と、まあ我が校では非常に堅苦しく定義されている。 そんな定義と先生達の思いを無視して、生徒達ははしゃぎ倒すわけだ。 そのはしゃぎ倒す一つの例を上げると、臨海学校というイベントでは多くのカップルが量産される。 そのカップル量産数は文化祭に次ぐ数らしいので驚きである。 そして、臨海学校はまだクラスに馴染めていない友達の少ない生徒のチャンスでもある。 5月頃の俺はそれを考えていたが、もうそれなりに友達ができたため気楽に過ごせそうだ。 まあその友達は『日向陽』としての友達であり、『日向陽斗』の友達じゃないんだけど……。 「日向さん、臨海学校楽しみですね」 委員長こと塚本奈緒は、いつも通りのにっこり笑顔で言った。
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