みんなで臨海学校!(前編)

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「それでは班はこれで決定です。じゃあ次はそれぞれの班で役割を決めてください」 委員長さんは教壇でひとこと言うと、俺の隣の席に腰を下ろした。 他の班が話し合いをする中、 「臨海学校ってことは海で遊べるんだよね?」 「自由時間等で利用してもよいそうですよ」 「海?海!?いよっしゃあああ!!燃えてきたぜ!何して遊ぼっかぁ!?」 「…遠泳?」 と、まったく班の役割決めなんて全く無視して話す我が班員達。 あれ? 海ってそういえば…。 「そういえば、海って行ったことないんだよなぁ…」 ボソッと、本当にボソッと俺は呟いた。 すると、皆は一斉に口を開いて、 「「はぁ!!!?」」 と、眉間にシワを寄せて俺を凝視。 その光景は、もうすでに半壊していた俺の女の子に対するイメージにさらなるダメージを与えた。 「その乳は飾りか?」 「……ちっ…」 「その2つのデカいスライムを討伐します!!」 魅琴と椿は恨めしそうにジト目で睨み、優衣にいたっては両胸をわしっと掴んできた。 「それじゃあ、水着を買わなければいけませんね。今日辺りなんて行きませんか?皆さんで」 にっこりと委員長さんが俺を見ながら話を正す。マジでありがたいな。 って、いやいやいや。水着?水着はマジでキツいから。 その笑顔も悪意の塊の様に見えるよ。そんなことはないだろうけど。 「あー、今日は用事が…」 「あ、私も私もー」 「……私も」 見事に予定が合わなかった。 「じゃあ、明日行きましょう」 という委員長さんの意見で落ち着いて、俺達は解散した。 そういえば班の役割決めしてなかったな。
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