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班会議が終了して魅琴や優衣や椿が帰った後、俺と委員長さんは少し理由もあって教室に残っていた。
まあ理由といっても、ただ俺が日直で日誌を書くだけど。委員長さんは暇らしいので、俺を待ってくれている。
いやー、こんな彼女が欲しいよ。
「日向さんって男女問わずモテますけど、交際している方はいないんですか?」
「いないよ~、そんなの」
あははっと、俺は笑って答える。
「それより、この前の中間テストまた1位だったんだよね?」
「はい。でもまぐれですよ」
にっこり微笑む委員長さん。
あー、謙虚だなぁ。
可愛いなぁ。実は俺、メガネ属性あるのかも。
癒されるわぁ。
さて、しっかり癒されたしそろそろ帰るかな。
「よっし。日誌も書き終わったしそろそろ帰らない?」
「そうですね。あっ、日向さん。今日、日向さんの家に寄ってもいいですか?」
「家って…」
まさか、俺に気があるのか…?しかし今俺は女。それなら、友達が放課後に家に寄るくらい普通なんじゃないのか…。
いや、でも絶対愛理や修治が家にいるしなぁ。会わせたらからかわれそうで嫌だし…。
「ごめん。今日はちょっと…」
「そうですか…。突然こんなこと言ってすみません」
なんだか残念そうな委員長さん。何か話題を変えないと。少し気まずいし。
「そっ、そういや私のこと名字で呼んでるよね?」
「はい。それがなにか?」
「いや、ほら…もう少し親しげに呼んでくれてもいいかなって」
「そうですか?じゃあ名前で呼ばせてもらいますね」
委員長さんはいつも通りにっこり微笑んで、確かにこう言った。
「それでは帰りましょうか。『陽斗さん』」
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