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「…………」
人間とは本当に驚くと声が出ないもんなんだな。
えーっと…、委員長さんは俺の正体を知っていて、何故俺の正体を知っていたかというと俺のストーカーをしていたからで、そんでもって俺の体が女になったあの日に委員長さんはそれを目撃……というか、覗き見していた。
よ~し、冷静になれ自分!
あっ、深呼吸しとこ。
それから会話再開だ。
「スーハー、スーハー…」
「私に見られていたことを知って興奮しているのですか?」
真顔で言う委員長さん。
「冷静になろうとしてたんだよ!!どうしてそういう風にシモの方に持っていきたがるの!?」
「そういえば今の陽斗さんの体は、シモの方を見ても興奮しているかどうかは分かりませんよね」
委員長さんは俺の下半身をひたすら凝視している。
「ちゃんと会話をしようよ!!何で頑なに自己主張しかしないんだよ!?」
「さて、それでは何故私が陽斗さんのストーカーをしていたかお話ししましょう」
「あれ?急に語り始めた!」
「知りたくないのですか?」
「いやぁ…まぁ知りたいけど……」
「では、改めまして…」
委員長さんはコホンとひとつ咳払いをして再び語り出した。
「あれは、二年前のある日の塾帰りのことです」
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