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というわけで、
「自分に水着の選び方の何たるかをご教授して頂きたいのですが…」
俺は事情を知っている委員長さんを頼ることにしたのだった。
「ふむ、なるほどなるほど。慣れない水着選びに困って私を頼りにしたわけですね?」
眼鏡の位置を正しながら尋ねてくる委員長さんに俺は黙って頷いた。
そして、
「了解しました。じゃあちゃっちゃと選んじゃいましょう」
快く委員長さんは了承してくれた。しかも即答。
「『若き水着選ビスト』の異名を持つこの私にどーんとお任せを!!」
と、委員長さんは続けた。
『水着選ビスト』という異名に少し疑問を覚えたが、現役女子高生の意見を聴けるのは有り難い。
「それで陽斗さんはどのような水着がお好みなのですか?」
「いやいやいや、陽斗さんはやめてくんない?」
「少しの茶目っ気は大事ですからね」
「その少しの茶目っ気で俺の生活を滅茶苦茶にする気かよ」
「まあまあ、いいじゃないですか」
と、言って笑う委員長さん。その笑顔からは淫靡な魅力が見え隠れしており、しかし、相変わらず気品が溢れている。あの笑顔の裏で何を考えているんだろう。まあシモ系のことだろうな。思春期突入初期の男子かよ。
「日向さん。これなんてどうですか?」
心の中でツッコミを入れている間に委員長さんは少し離れた所で水着を物色していた。
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