罪には罰を

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「詩音!!無事か!?」 急いでホールに戻ってきた僕は詩音を探したが見つからなかった すると ホールのすぐそばに来たときには無かったはずの扉があった 「詩音…?」 気がつくと僕はその扉を開き中に入っていった そこには 棘で縛られ十字架に吊るされていた詩音がいた どうやら詩音は気絶しているようで返事はない 「詩音!?大丈夫か!今助けてやる…」 そう言いながら十字架に近づき詩音を助けようとした しかし 十字架の前には 長い銀髪を自分の腰まで伸ばした長身の男が待ち構えていてこう言った 「ようこそ我が城へ…私はここの研究者“ノア”と申します。以後、お見知り置きを…」 ノアと名乗った男は律儀に挨拶をして来たが僕は全く聞かず叫んだ 「詩音に何をした!!詩音を放せっ!!」 「おやおや、私の貴重な実験動物(モルモット)を殺した人が言うような台詞とは思えませんね…せっかくの実験動物第一号を殺されて怒りたいのは私の方ですよ。」 あいつがあのとんでもない能力を作った張本人か 「実験動物!?あの能力を開発したのは貴様か!!」 「貴様とは酷いですね…私にはノアと言う素晴らしい名前があるのですよ。まぁ、確かにグラに能力を与えたのは私ですよ。只の試作品でしたがね…言わば彼は“失敗作”なんですよ」 狂ってる… 人の命を弄んで 人一人死んでも悲しんでる様子もなく 人間を壊れた玩具のようにすぐに切り捨てる… 「貴様!!それでも人間かよ!!こんなこと許されるとでも…」 「だから言ったでしょ。私はノアと言う名があると…まぁ良いでしょう。あなたはここが立ち入り禁止なのはご存知でしょう?人の領域に土足で踏み込んで挙げ句の果てに私に説教ですか?」 ノアは僕の言葉を遮った そしてこう続けた 「やはり罪には罰が必要ですよね!!」 そう言われた僕は突然視界が真っ暗になった
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