罪には罰を

3/9
前へ
/330ページ
次へ
扉を開けた僕たちは 研究塔のホールらしき所にたどり着いた 壁の色は全て白 その純白を否定するかのように黒い扉がいくつかあるだけで 造りは普通の家と変わりは無い そして不思議な事にホールらしき所にはなにも置いていない 「へぇ~以外と中は綺麗だな、とても研究をするような場所とは思えないな」 「そうだね…でもなんか寒くない?夢人は大丈夫?」 「僕?全然寒くないよ、ほら、僕暑がりだからかな」 どうやら詩音は怖がっているようだったので これ以上不安にさせないように軽くおどけて見せた 「そう?ならいいんだけど…なんか嫌な予感がするの……手、つないでいい?」 「え?何か言った?」 詩音は本当に怖がっているのか声が小さく 僕には詩音の言葉の後半が聞き取れなかった 「え?な、なんでもない、気にしないで…」 詩音の さらに声が小さくなった これは早く終わらせて帰ろう 「二階に行く階段ってどこかな?探してみよ…」 「ようこそ、ワガ研究塔ヘ」 僕が言い切る前に謎の声がした 「誰!?」 詩音の叫び声と同時に 上から豚らしき形をした石像が一体落ちてきた 「ヒサシブリの外からのニンゲンだ!!さっさと殺して喰ってやろうか!!」 僕たちは背筋が凍り付いた 石像が喋っている… しかも僕たちを殺す気だ… 「し、詩音、逃げ…」 僕は必死で声を出し詩音に話しかけようとしたが またしてもあの声に阻まれた 「アイニク俺様は腹が減ってるんだ、死ネ!!」 恐ろしい言葉と共に 800kgはあるだろうと思われる巨体が僕ら目掛けて突っ込んで来た
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加