罪には罰を

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紙一重で謎の石像を回避した僕たちは一目散に入ってきた扉へ向かった しかし 木製だったはずの扉は 石になっていてびくともしない 「なにこれ!?開かないよ!どうしよう夢人!?」 「さっきまでは木でできていたのに…あり得ない…きっと別の出口があるはずだ!探すぞ詩音!!」 僕たちは他の出口を探そうとすると石像が話しかけてきた 「ヒャハハハ!無駄ムダァ!これは俺様の“能力”だからナァ!!」 「「“能力”?」」 「あァ、冥土のみやげに教えてやるよ!!この研究塔ではなァ超能力を開発してるんだよォ!俺様はその中の一人『グラ』様だ!!よく覚えておけ!!まぁすぐに死ぬんだけどなァ!!」 ちょっとまて あれは噂じゃなかったのか!! だとしたら奴は… 人間!? 信じられない… 現代の科学技術でできるような代物ではない… こんな訳の分からないやつに殺されてたまるか!! 詩音は泣き出して動けそうもないし… 彼女を守れるのは僕しかいない!! 「一つ聞いていいか、グラ?お前の能力とはなんだ?」 「あぁん?んなもん教える分けねーじゃん!!と言いたいところだが久しぶりの人間だ、教えてやるよ!!」 よかった 戦うとしても少しだけでも情報があった方がいい 「俺様の能力は『自分と無機物質を石に変える』だ!!理解したかァ?」 なるほど 扉の石化は奴の能力か… ここまできたら流石に超能力を信じない僕でも信じざるを得なくなる… 「わかった。でもあいにく僕たちはおとなしく殺される気はない。どうだ?久しぶりの“人間”なんだろ?なら簡単に殺したらつまらなくないか?」 「確かにソォだなぁ!ならまずは貴様を先にその女の目の前で殺して泣き叫ぶ面でもタノシンデやるとしようかぁ!!」 よし 相手がバカで助かった これで詩音から注意をそらせる… 「詩音…僕が囮になっている間に逃げろ…」 「だめっ!!夢人…死んじゃうよっ!」 僕は詩音に小さく呟き 詩音の必死の叫びも聞かず グラのもとへ走っていった
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