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「…う、嘘だろ」
受験票を握り潰しそうになるのを堪え、もう一度確認する。
確かにそこには自分の番号が乗っていて、驚きのあまりしばらく動けなかった。
「自分の番号あったか、雄介?」
ひょいと横から顔を出したのは俺の幼なじみである原野新次。
新次は余裕で受かっただろうと分かるくらいすました顔をしている。
「あ、あったに決まってるだろ?余裕、余裕」
「それにしては前日まで目が隈になるくらい頑張ってたよな」
「うっ…、家庭教師有り難うございました」
「いえいえ」
むきになって言い返すが、自分の実力だけではない事は明らかだったので、直ぐに引き下がる。
「これで俺も白龍学院の生徒か…」
(白龍学院は偏差値が高くて入れないと諦めかけてたけど、頑張って良かったなぁ…)
気分が良かったのは、その後家に帰るまでだった。
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