第一話

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「えっ…、受かったのか?」 父の第一声はどこか焦った様子で、喜んでいるようには見えなかった。 「なんだよ、俺が受かっちゃいけない理由でもあるのかよ。確かに俺は馬鹿だけど…」 「い、いや違うんだ。ただ…その、な」 暫く目を泳がせてから、意を決したように口を開いた。 「実はだな…。お前が受かるとは思わず、ふざけて…」 「ふざけて?」 「願書にお前を女って書いてしまったんだ」 「あぁ…、なんだそんな事…」
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