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「…………は」
突然重力を失いボカンと口を開けた雄介だったが、その次にはみるみると赤面させて暴れだした。
「て、てめっ、離せ変態!」
「ケガ人は黙ってろ。それとも殴られてぇのかお前は」
「だからって何でお姫様だっこされなきゃいけねぇんだよ!」
一生懸命腕を払おうとするが、腕力では敵わない。
悔しそうに舌打ちすると、ニヤリと鬼川は笑って言った。
「てめぇだって一応“女の子”だろ?」
「なっ……!?」
衝撃なその言葉に大きく目を見開かせ絶句する雄介を見て、鬼川は堪らず噴き出した。
「単純…っ、くくっ」
「わっ、笑うなこの野郎!」
(何なんだよ…。今日のコイツいつもと違ってやりずらいって言うか……。あ、神崎とはどうなったんだろう)
「なぁ、鬼川……っうわぁあ!?」
「うるせーな、今度は何だ」
「おっ、おま、ち…!顔から血出てんじゃん!」
見ると、頬から首筋にかけて血が滲んでいた。
「別に大した事ねぇよ、ひでぇのは見た目だけだ。いい加減黙れチビ」
「ちっ……!?」
人が心配してんのに何なんだコイツ!と、先程の違和感など何処かへ吹き飛び、取り敢えずお姫様だっこじゃなくおんぶにしてもらおうと雄介は口を開いた。
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