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神崎は後悔していた。
(後悔先に立たず言うのはこういう時言うんやろなぁ…)
「仮にも友人になんちゅう事してんや自分……」
「全くよ」
「ほんま餓鬼過ぎて笑えるわ」
「呆れさえ湧いてくるわね」
「ほん……って、美沙りん!?」
そこには眉をキリリと吊り上げた林の姿があった。
「ななな…、何で…」
「生徒会の皆さんに教えて貰ったのよ」
後ろにはお馴染みのメンバーの姿もあり、完全にバレたんやなと悟った。
「何馬鹿な事してるの貴方は!」
林の怒声にピリピリと鼓膜が揺れ、凄まじい剣幕に思わず後ずさる。
二人の追いかけっこが始まり須江を含む四人は呆れたように顔を見合った。
「じゃ、僕らは退散しようか」
「もう龍ちん達も学校に着いたかな?」
「おい、井上」
「ん?なんだい巧君」
前を歩く二人に聞こえ無いように巧は井上に耳打ちする。
「警察には連絡したのかよ」
「うん、ばっちり。周りには公表されないように頼んだからこっちの問題にはならないよ」
「警視総監が親父とかお前の凄い所そこだけだよな」
「さりげなく傷付くな…」
井上は渇いた笑いを小さく漏らした。
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