第三・五話

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「…そんな事言った奴お前と真ぐらいだぞ。本当、変わってる奴だな」 顔に手を当て呆れていると言うより、困ってるような口調で鬼川は言った。 ムッと少しばかりむきになり何だよと言い返そうとしたが、一瞬言葉を失った。 顔に手を置いていてもはっきりと分かる程鬼川は笑って居たからだ。 それも心なしか嬉しそうに見えるのは此方の気のせいではない。 ドクンと心臓が跳ねた。 鼓動が激しくなり体が熱くなった。 (な、な、何で動揺してんだよ。別にこいつだって笑う時ぐらいあるだろ) 一生懸命落ち着かせようとするが、思考とは逆に体温は上昇するばかりで…、 「おい、顔真っ赤だぞお前」 ポンッ 肩に手を置かれた瞬間、何もかもがぶっ飛んだ気がした。 「お、おお俺用事思い出したからかっ帰る!!」 「は?…って、おい岸尾!」 勢い良く立ち上がったかと思うと、ダッシュで駆け出してしまった。 「…何なんだあいつは。つーか足大丈夫じゃねぇか」 今度こそ呆れた様子で鬼川は呟いた。 .
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