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「警視庁捜査一課の女刑事と最初聞いたときはまだまだ青臭いピチピチの若い女と思ってた。だが、実際会ったときその考えは変わったね。試しに柔道の練習をしているって聞いたから見に行ったんだけど、竹塚より2~3倍は大きい体格の男を平気で大外刈りを掛けて倒してたな」
「本当に昔の話は止めてって!」
秋穂さんはさらに顔を赤くしていた。
「初任務の時から俺と竹塚はコンビだった。最初は日本に潜伏している過激派のテロリストの連絡係の部屋を盗聴する任務を任されたんだが、竹塚はミスも無く的確に盗聴器を仕掛け、ついでに小型カメラもすぐさま取り付けた。新人でここまでこなすとは相当な努力家だなと思ったね」
「機械のことは父がよくいじっててね。私はその光景をよく見てていつの間にか身についていったの」
確かに先ほど秋葉原に居た時も小型の機械を迷うことなく作っていたのを思い出した。
「俺はこいつを見て思った。この女は戦うために生まれてきたとね」
戦うために生まれてきた……。
俺はその言葉にもっと深い意味があるのだろうと思った。
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