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俺は驚くほど気持ちよく朝を迎えた。
背伸びをしながら、大きな欠伸をする。
顔を洗うため、俺は洗面所へ向かった。
「あっ、おはよう。向井さん」
俺より先に田島が洗面所にいた。きっと、俺と同じ考えで来たのだろう。
「おはようございます。朝、早いんですね」
俺は近くの時計を見ながら言った。
時刻は朝の6時きっかりを指していた。
「まあね。早起きは習慣なんでいつもこのぐらいに起きてしまうんですよ。はは」
笑った顔はまるで高校生のような純粋でフレッシュな笑顔だった。
「じゃあ、次どうぞ」
田島は洗面所の方向を手で
示し、まるでエスコートをしているかのようだった。
「どうも、すいません」
俺は恐縮しながら洗面所へと向かった。
田島のあの爽やかな笑顔を見た後に鏡で自分を見るものではない。
自分の顔は驚くほど醜く、今にも鏡を割りたくなるほどだった。
「だからか……」
俺は改めて女性が自分を避けているかの理由が分かった。
この顔じゃ誰も寄っては来ない。
結局、男も女も顔で全て決まるのだ。俺はそう感じた。
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