155人が本棚に入れています
本棚に追加
朝御飯は白米、味噌汁、卵焼き、鮭の照り焼きというシンプルかつ日本人らしい朝御飯だった。
食事中、田島は突然口を開けた。
「向井さん、ちょっといいですか?」
「え、ええ。どうかしました?」
俺は突然話しかけられたので動揺してしまった。
「向井さんは運転は出来ますか?」
俺はいつも常備している財布から免許証を抜き取り、黙って田島に差し出した。
「あぁ~、良かった。安心しました。では悪いんですが今日は向井さんが運転してくれますか?それと私と竹塚で古田と話すので車で待機してもらって構いませんか?」
別に拒否することも無かったので俺は快く承諾することにした。
「いいですよ。安全運転を心がけますので。ハハ」
俺は笑いながら言った。だが、秋穂さんも田島も浮かない顔をしていた。
悪い予感がした。ただ何となく。
俺はその予感を消そうと白米をかきこんだ。
最初のコメントを投稿しよう!