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「向井さん、音楽掛けてもいいですか？」
「ええ。どうぞ」
田島はＭＤのスイッチを押した。
掛かった曲は洋楽のロックだった。しかも結構音量が凄い。
「これはＡＣ/ＤＣの『big gun』って曲で俺が好きな曲なんですよ」
そういえば、この曲どこかで聞いたことある……。
洋画でこの曲使っていたような……。気になったので田島に尋ねてみた。
「あの、この曲何かの洋画で使われてませんでした？」
すると田島は満面の笑みでこちらを覗いてきた。
「あ！よく訊いてくれました！この曲はアーノルド・シュワルツェネッガーの『ラスト・アクション・ヒーロー』で使われていましたよ」
そうだ！それだ！俺は気持ちいい気分だった。
「あ～。それです、それです！確か監督は『ダイ・ハード』のジョン･マクティアナンですよね。魔法のチケットを手に入れた少年が映画の中に入って冒険する話ですよね」
俺は話しながら、秋穂さんを見た。秋穂さんは話についていけずつまらなそうにしていた。
「知ってますねぇ。ジョン・マクティアナンの映画は面白いですよね。『プレデター』のパート１の監督でもありますし」
意外に田島とは気が合いそうな気がしてきた。
そんな映画談義がこの後３０分に渡って続くとは誰が予想したのだろうか……。
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