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車を走らせていると目の前に国会議事堂が見えてきた。そうだ、ここは永田町だったのだ。
「あれって、国会議事堂でしょ?」
秋穂さんはそこを指差していた。
「そうだ。やっぱりデカイなぁ」
田島は感心しているようにも見えた。
「田島さん、そろそろ着きそうですよ」
車は赤い斑点の付近まで迫っていた。
そろそろ古田に会えるのだ。俺は少し緊張した。
「よし。向井さん、この辺で止めてください」
俺は田島の言うとおりにその場で止まった。
「竹塚、準備はいいか?」
秋穂さんは黙って頷いた。
「向井さん、今から行きますけど絶対にここから動かないで下さい。待機しててください。いいですね?」
俺ははい、と一言返事した。
すると、秋穂さんと田島は同時に勢いよく車から飛び出して行った。
車に一人取り残された俺は寂しいだけだった。
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