報われない人生

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『間もなく、新橋~。新橋です。お降りのお客様は足元にお気をつけ下さい』 ようやく目的の駅だ。毎日このアナウンスに救われる。 このアナウンスを聞くと心の底から感謝したくなる。 プシュー。 電車の扉が開くと人がまた一斉に降りた。 その光景はまるで何かに吸い寄せられるかのようだった。 階段を降りて改札へと向かう。その間にも人はどんどん流れていく。 毎日これの繰り返しだ。人間の群れを見るとどこか見下したくなる。 改札を抜けて会社へと歩いていく。 あっ、その前に新聞を見るのを忘れちゃならない。 俺は売店で新聞を買った。 『政府、新政策!!これで支持率アップを狙えるか?』 デカデカと書かれた見出しの下には内閣総理大臣の顔が一面に出ていた。 俺はとりあえずそれを無視して他の記事を読み漁った。 俺が気になるのは芸能欄の女の子のグラビアコーナーだ。 これが好きで毎回買っている。 新聞を読み終え、新橋に降りると俺と同じ会社員がスーツをバシッと着て何処かへと歩いている。 だが俺は思う。きっとこの中の誰よりも俺が一番悲惨な人間だなと。
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