気づくまで

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「くっそぉー!あとちょっとだったのにっ」 「ウスラトンカチ。家に帰って修行でもするんだな。」 さっと踵を返したサスケはとっとと帰って行くようだ。 ムッカー。なんだってばよ。 「…待てぇーっ!」 「Σくんなっ」 後を追うように走りだすと、いつの間にか追っかけっこになっていた。 サスケはいつまでも逃げるし、俺も意地になって追いかけた。 通りを風を切って通り抜け、森の木の枝を蹴りながら、跳んでは着地。 伸ばした手は今だに遠い。 まただ。 何回も何回も何回も… 虚しさが込み上げる。 「なぁ、サスケ。終わりにしねぇー?」 「お前が止まればいいだろ。」 う。確かに。 「なんかやだ。」 「なんだそれ。ストーカーかよ。」 は? 「ストーカーじゃねぇってばよ!変態呼ばわりすんじゃねーっ」 「変態とまでは言ってねぇ。」 今だポッケに手を突っ込んだまま、枝から枝へを軽快に繰り返すサスケに、気持ちまで疲れてきた。 もうよくねぇか?  
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