第1章。アジアの東の国。

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母国、フランスの生活は、 毎日楽しかった。 独りっ子で、 家族に囲まれ過ごした。 ある、就職2年目のある日。 両親を一度に失ったときに、 感情の全ての「喜怒哀楽」を 失った。 だから今、人事部に配属され 独身なのだろうか? それもあるだろうが、 部長に目を付けられたからだ。 幼いころは、教会で日曜日に 讃美歌を歌っていた。 和みます。 ある日、聞いた。 「お母さん。 何で祈るのぅ?」 母親は、隣でささやいた。 「人はね、弱い生き物なの。」 よく覚えている。 しかし、 両親のあの日以来、神の存在を 信じなくなった。 どうして、優しくて 頑張っている人に 突然の不幸があるのか? ならば、こちらも 神などいないと・・。 何も信じないと・・、決めた。 仕事に追われていたある日。 映画バットマン・ビギンズを観た。 バットマンの両親を見ると、 何だかあの穏やかな両親を 思いだした。 悲しくなり、懐かしく、 鳥肌が立つ。 そして、 励まされた。
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