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薫ちゃんは俺より頭一個分小さくて、髪は肩位までの長さ。
そんなに長くは無いけれど、妙に惹かれた。
あの柔らかそうな髪に触れたい、って思ったんだ。
…え?ちょっと変態くさいって??
好きな子に触れたい、と思うのは罪ですか??
…話を戻そう。
化粧っ気が無くて、学校に居る女の子達とは全然違う。
…もう、なんつぅか…
ノックアウト?(恥)
最初、晃の家に向かう途中は俺が一方的に話して、それに相槌を返してくれる位だった。
でも、薫ちゃんはゲームが大好きらしくて、晃の家でゲームやってる内にどんどん喋るようになった。
喋ってみると、これがまた可愛いんだ。
前に由美が言ってた
「打ち解けたら友達止まり」
って、アレは嘘なんじゃ無いか、って思う位俺は惹かれていった。
…何となくノリは男友達っぽいけど(笑)
でも俺はそこにまた惹かれる。
この良さが解らない男が居るのが不思議でたまらない。
当初の計画から、由美が言い出した事だけど、
「最初の時はあまり長く居ないのがベスト」
という訳で、早めに帰る予定だったんだけど、由美がいざ帰ると言うと、
「えぇ?!薫ちゃんもう帰っちゃうの?」
とか言ってしまった。
本当にもっと一緒に居たかったんだ。
そして、彼女達を駅まで送りながら、ふと隣りの薫ちゃんを見ると肩が震えていた。
キャミソールしか着て無いから、陽が暮れるとさすがに寒いんだろう。
良い事を思い付いた。
着ている上着を脱ぎ、頭一個分より下にある肩にかけた。
「半袖だけど、無いよりマシでしょ?」
薫ちゃんはそれを着てくれた。
こうしたら、次も会えるかな、って思ったんだ。
我ながらナイスアイディア、とか思ってた。
「上着、由美に渡せば良いのかな?」
とか言われて、正直泣きそうだった。
もう会ってくれないのかと思い、思わず暴走。
「次、会う時に返してくれればいいよ」
遠回しの「また会おう」宣言。
…俺ってこんな奴だったんだ(汗)
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