悲しいこと

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  彼女は自分を愛している。だから甘く僕を噛み遊ぶこともできる。物足りなくもなければ痛すぎることもない丁度よい適度な心地よくさえある痛み。加減を理解している、彼女はいつだって見誤らない。いつでも適量を提示し続ける。時折舐めてそのざらつく感触を僕の皮膚に埋める。僕はいつだって読み取ることができる、彼女は注ぐのがうまい。そのざらつく感触を注ぐのがうまい。僕はいつでも彼女を愛している。ふわりふわりと彼女の月の上を遊泳するように。いつでも反射して見える僕の姿、彼女の月に映る僕の姿。僕を吸収してくれ、僕を食べてくれ消化してくれ、願わくば僕の心は彼女に一生添い遂げることにあることを。彼女を月光と呼べば、僕は兎なのだろうか? 僕を兎と呼べば、彼女は月光なのだろうか? とりもなおさず僕と彼女は共有している。happyなことだ、そうだろ? 愛してる、tooといってくれ。それこそが僕の生きる指針なのだから。さぁ、体温を測り合おう、そしてお互いの及第点にせえので着地しよう。そして手を取り合って駆け出すのだ、広い草原そして川の音、うたた寝。 「おはよう、おやすみ、おはよう」 猫の目に映り匙から零れ月(着き) 適度な痛み あたふ優しさ
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