~カッティの旅1~

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「あなたに、三体の守護竜を目覚めさせて欲しいのです。」 「守護竜を目覚めさせる?」 「えぇ。ギガンテスが目覚め、世界の均衡が崩れ始めています。七つの精霊だけでは、世界の均衡を保てなくなってしまいました。このままでは、遅かれ早かれ、世界は崩壊します。」 「だからって…。何で俺なんだ?」 カッティは両手を広げた。 「あなたから、邪念が感じられないからです。」 「まぁ…。そりゃ悪いことなんか考えたこと無いもんなぁ。」 カッティは言った。 「だけど、具体的にどうしたらいいんだよ?」 「この剣を受け取って下さい。」 大樹の精がそう言うと、カッティの前に一本の剣を現われた。カッティはそれを受け取った。 「これを守護竜の前に突き立てれば、守護竜は目覚めるはずです。そしてその剣には、目覚めた守護竜の力が宿ります。もしあなたに邪念があれば、力に飲まれ、魔物になってしまうでしょう。」 「怖っ!」 カッティは叫んだ。 「でもそれなら、シュウやシルフの方が良いんじゃないか?」 「彼らには、他にやってもらうことがあります。」 「あ、なる程。じゃあ俺は縁の下の力持ちってわけか。」 カッティは首を竦めた。 「そんな事はありません!あなたにも重要な事を頼んでいるのですよ!」 大樹の精は強い口調で言った。 「分かった悪かった!だけど、その守護竜ってのはどこにいるんだよ?」 カッティは尋ねた。 「それは、その剣が示してくれるはずです。」 「イマイチ信用ならないが、まぁいいや。そうだ、最後にあんたの名前を聞かせてくれよ?」 「私の…名前ですか。私に名前などありません。私は大樹の精ですから。」 「大樹の精じゃ呼びにくいだろ?ん~と、じゃああんたはセレンだ!セレン=ワグナー。はい決定。」 カッティは手を叩いてそう言った。 「セレン=ワグナー…。良い名前ですね。ありがとう。」 「気にすんな。名前がないと何かと不便だろ。それじゃあまたな。」 そう言ってカッティは軽く左手を挙げ、その場を去った。 「カッティ…。あなたなら私を呪縛から解き放ってくれると信じていますよ。」 セレンはそう呟き、姿を消した。
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