大樹にて

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シュウとシルフは、フリードの遺言通り、大樹に来ていた。そこで見た景色に、二人は驚いていた。 「みんなの墓がある!」 シュウは一面に広がる墓石を見て言った。 「一体誰がこんな事をしてくれたんだろう?」 シルフの言葉に反応するように、言葉が聞こえてきた。 「これは、カッティが一人で行ってくれたのです。」 そして、セレンは二人の前に姿を現した。 「あなたは?」 シルフは問うた。 「私はセレン=ワグナー。七つの精霊を統べる大樹の精です。」 「カッティは生きてたのか。」 シュウは安心したのか、ホッと胸をなで下ろしていた。 「だけど一人でこれだけの事をするなんて…。カッティらしいわね。」 シルフは微笑んでいた。 「あなた達は、ギガンテスを知っていますか?」 「ギガンテス?あぁ、俺達の村を焼き、フリードおじさんを殺した奴だろ?嫌でも知ってるよ。」 シュウは眉間に皺を寄せた。 「すみません。嫌な事を思い出させてしまいました。しかし…。あなた方にギガンテスを止めて欲しいのです。」 「俺達に?」 シュウは問うた。 「はい。あなた方は、その昔ギガンテスと戦った二人の血を受け継いでいる。だからあなた方ならきっと…。」 「確かに私はシェイドの、シュウはアークの血を引いている…。だけど、私達そんな特別な力は持っている訳じゃないわ?」 「今は普通の人と変わらないかもしれない。だけど、あなた方から無限の可能性を感じるの。…二人の魂は、今もこの大樹の奥で眠っています。大樹の中でその魂に触れて下さい。あなた方なら、きっとギガンテスを止める事が出来ます。どうかお願いします。」 セレンは不安げな顔をした。 「良いじゃねぇか。元々ギガンテスと戦うつもりだったんだ。特別な力があろうが無かろうが、俺はギガンテスを許せない。」 シュウはセレンを見上げた。 「確かに…。私達はその為にここに来たんだったわね。」 シルフもセレンを見上げた。 「さあ、俺達はギガンテスと戦う。だから、大樹の奥へつながる道を開いてくれ。伝説の英雄の魂とやらに会わせてくれよ。」 シュウは両手を広げた。 「分かりました。ありがとう…。」 セレンはそう言って姿を消し、代わりに大樹の奥へつながる入り口が開いた。
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