大樹にて

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そして二人は最下層にたどり着いた。光は射し込まないが、発光する植物がフロア一面に生えていた為、暗いという印象はなかった。 「これってもしかして、どんな病でも治してくれる伝説の薬草じゃないかなぁ。」 シルフは言った。 「そうなのか?」 シュウはシルフに尋ねた。 「うん。本に書いてあった特徴と一緒だから多分。」 「へぇ。でも、ここにはそれ以外何もないよなぁ。壁がヒドく削られてるのは気になるけど。」 そう言ってシュウは壁に近づいた。 「ここに、ギガンテスが居たってシェイドさんが言ってる。」 「シルフ、シェイドの声が聞こえるのか?」 「うん。何か急に聞こえてきたの。」 「常に見られてるのか?」 シュウは小声で言った。 「どうだろうね…。」 シルフは苦笑いだった。 「だけど今はもう何もないんだよな?」 「多分。」 「じゃあアークの魂ってのは何処にあるんだよ?」 「ギガンテスと一緒に消えちゃったのかなぁ?」 「そんなまさか…。」 二人は途方に暮れていた。 「ガー!」 魔物の声がした。
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