大樹にて

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二人は後ろを向いた。その時にはすでに魔物は目の前に迫っていた。 「なっ…!」 シュウの反射神経では、シルフをその場から突き飛ばすので精一杯だった。 「ぐぁ!」 同時に、シュウは魔物に吹き飛ばされ、壁に激突した。 「シュウ!?」 シルフはシュウに近づこうとした。シュウから尋常じゃないほどの血が流れ出ていた。 しかし魔物は、シルフにも襲いかかる。 「邪魔をしないで!」 シルフは魔法で風を巻き起こし、魔物を遠ざけながら何とかシュウの元にたどり着く。そして、シュウに回復魔法をかけて傷を塞いだ。出血は止まったものの、シュウが目を覚ます様子はない。 「アァァ!ゴロズゥ!」 魔物は徐々にこちらに近づいてくる。シルフの魔法も、体力が尽きかけた今、もはや魔物には通用しない。 「ここまで…なの?」 万事休すだった。
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