6人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここまで…なの?」
シルフは死を覚悟していた。
「あきらめるにはまだ早いぜ!」
「え?」
シルフは一瞬誰の声か分からなかったが、シュウが立ち上がったのを見て、それがシュウの発した声だと理解した。
「シュウ!」
シルフは安心して泣きそうになった。
「こんな奴に、俺がやられるかってんだ!」
シュウはそう言って剣を一振りした。すると真空波が巻き起こされ、魔物を真っ二つに切り裂いた。
「スゴい!今のどうやったの?」
シルフは不思議そうに尋ねた。
「なんか出来る気がしたんだよな。名付けて、真空斬りだな。」
シュウは得意げに答えた。
「何それ。でも良かった。シュウが無事で。」
「心配かけたな。」
シュウはシルフの頭に手をおいた。
「もう、一人なるのはイヤだよ?」
シルフの声は弱々しかった。
―――――――――――――――――――
その後、二人は大樹を後にした。
「さて、今からどうしようか。」
シュウは、セレンに助け船を出して欲しかったが、そう上手くはいかなかった。
「とりあえず、この島を出ないことには始まらないんじゃないかな?」
シルフはそう言って海の方を見た。
「そうだな。確かここから西の方に港があったはずだな。」
「うん。まぁとりあえず行ってみようよ。」
二人は、島の港を目指すことにした。
最初のコメントを投稿しよう!