大樹にて

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「ここまで…なの?」 シルフは死を覚悟していた。 「あきらめるにはまだ早いぜ!」 「え?」 シルフは一瞬誰の声か分からなかったが、シュウが立ち上がったのを見て、それがシュウの発した声だと理解した。 「シュウ!」 シルフは安心して泣きそうになった。 「こんな奴に、俺がやられるかってんだ!」 シュウはそう言って剣を一振りした。すると真空波が巻き起こされ、魔物を真っ二つに切り裂いた。 「スゴい!今のどうやったの?」 シルフは不思議そうに尋ねた。 「なんか出来る気がしたんだよな。名付けて、真空斬りだな。」 シュウは得意げに答えた。 「何それ。でも良かった。シュウが無事で。」 「心配かけたな。」 シュウはシルフの頭に手をおいた。 「もう、一人なるのはイヤだよ?」 シルフの声は弱々しかった。 ――――――――――――――――――― その後、二人は大樹を後にした。 「さて、今からどうしようか。」 シュウは、セレンに助け船を出して欲しかったが、そう上手くはいかなかった。 「とりあえず、この島を出ないことには始まらないんじゃないかな?」 シルフはそう言って海の方を見た。 「そうだな。確かここから西の方に港があったはずだな。」 「うん。まぁとりあえず行ってみようよ。」 二人は、島の港を目指すことにした。
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