王城-水の精霊-

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二人は港に着いた。幸いここは魔物の被害はないようだ。 「良かった。船は無事みたいだ。」 シュウは港にある船に近づいた。 「そこまでだ!」 そんな声が聞こえ、二人は後ろを振り向いた。するとすでに周りを囲まれていた。 「お前達を捕まえるように命令を受けている。大人しく従えば命だけは助けてやるぞ?」 隊長のような男は二人にそう言った。 「何なんだよ一体?」 「シュウ、ここは従うのが身の為だよ?」 そして二人は両手を上げた。そのまま二人は船に押し込まれた。行く先も分からぬまま、船は出航した。どうやら、港の船は全て二人を捕まえにきた者達の船だったようだ。 ――――――――――――――――――。 「ほら、降りろ!」 二人は船をおろされた、街の中を歩かされた。そして、城の中へと案内され、牢屋に入れられた。 「お前達の処罰が決まるまで、そこで大人しくしているんだな。」 先ほどの男はそう言って扉を閉めた。 「なんでこんな所に入れられなきゃいけないんだ!」 シュウは柵を揺らした。 「シュウ、私達何も悪いことなんかしてないよね?」 「当たり前だろ!」 「だったら大丈夫だよ。神様はこんな所で私たちを見捨てたりはしないはずよ。」 シルフは凛とした態度で言った。 「それに、こんな所で体力を使ったら、いざという時逃げられないよ?」 「いざという時か…。そうだな、いざとなったら強行突破しかないもんな。」 シュウがそう言った時、遠くから足音が聞こえてきた。
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