王城-水の精霊-

7/10
前へ
/40ページ
次へ
「王女様!それに王様まで!」 ロベルトは口をあんぐりしていた。 「そうか。ロベルト、君の言っていたエネルギーの源とは、精霊様の事だったのだな。」 王様は悲しそうに言った。 「何を言ってらっしゃる。水の精霊様を我が城にお招きしていただけでございます。」 ロベルトは弁明した。 「戯け!誰が精霊様を無理矢理連れてこいと言った!我が国は精霊様の恩恵を十分受けておる。無理矢理城にお連れする必要など無いはずだ。その上、罪のない旅人まで殺してしまえなどと言いおって。今までお前が捕まえ、私に処刑するよう言った者達も、皆精霊様をお助けしようとしていた者達なのだろう?そうとは知らず、私はなんとも罪深いことをしてしまった。」 王様の顔は怒りと哀しみに満ちていた。 「観念しなさい。ロベルト。」 アニーはロベルトを指さした。 「くそ。全て順調だったのに、お前達のせいで台無しだ!畜生!許さんぞ!うあああああ!!」 ロベルトは声を上げた。するとロベルトの姿はみるみるうちに魔物に姿を変えていった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加