ちぃのママ

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僕がママと過ごしたのはたったの2ヶ月。 すぐに僕はペットショップに売られたから、あまりよく覚えていない。 ただ、温かいぬくもりや、優しい声だけは心の奥底で覚えていた。だからどんなママだって優しくて温かいんだ…って信じてた。 ちぃが待ち焦がれたママ。 ちぃを置いてどこかに行ってしまったママ。優しいはずのママでさえ、ちぃを傷つける存在だった。 ママがちぃに会いに来た夜、ちぃはポツポツと僕に話をしてくれた。 今日会いに来たのはちぃの2番目のママ。ちぃは哀しそうな目で話す。 「ちぃのパパの再婚相手なんだ。ちぃの本当のママはね、ちぃの目のことを知っていなくなったの。礼於とおんなじ…。捨てられたのよ。」 僕の耳を撫でながら、ちぃは語り続ける。 「ママがいなくなって、あの人とパパは出ていった。大好きだったママの家にちぃだけ取り残されたの。」 「ちぃはね、誰にも拾ってもらえなかった…」 ちぃの言葉が哀しくて僕はちぃの胸に顔を埋める。 大丈夫…。 大丈夫だよ…。 そう言い聞かせるように寄り添って眠る。 たとえ世界中が敵に回っても、僕はきみの味方だよ。 「ずっと傍にいてね、礼於…。」 僕は尻尾を揺らして答える。 傍にいてほしいからじゃない。 僕が傍にいたいって思ったから…。 だからあの日傍にいようって決めたんだ。
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