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ちぃと出会った日
出会った日のちぃは、大きな目を目一杯開けて僕を見つめていた。
次々にもらわれていくこたちを眺めながら、僕とお兄ちゃんはもう愛想を振り撒く元気もなくなっていた。
そんな僕を抱いたちぃの腕は痣だらけ。
精一杯抱き寄せてちぃは僕だけを連れだした。
その時になって僕はお兄ちゃんが動かないことに気付いた。
間に合わなかった…。
あんなに出たかったガラスケース。出る時にこんなに哀しい気持ちになるなんて思いもしなかった。
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