ちぃのいない昼下がり

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ちぃのいない昼下がり

ちぃは毎日傷だらけになりながらそれでも学校に行っている。 「いい子でいたら帰ってくるわ」 それがママの最期の言葉だったそうだ。 ちぃのママはどこにいったんだろう。ちぃはママが帰ってくるって信じてるのかな? 僕はちぃが学校に行っている間色々なことを考える。 ちぃの匂いの染み込んだ毛布にくるまって考え事をしていると、哀しくなってくる。 僕にはちぃを救える言葉が何一つなくて、 僕にはちぃを喜ばせる力もない。 だからいつも神様にお願いをするんだ。 どうか今日はちぃの心にも体にも傷が増えませんように… そしてちぃが早く学校から帰ってきますように… だってこれ以上置いていかれるのは嫌なんだ。
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