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鈍い音が響く。
しまった。忘れていた。彼は巻き込まれ不運だった。
「大丈夫?」
伊作は心配そうに顔をのぞきこんだ。
(ほんとに、何しにきたんだよ‥)
と思いながらも、伊作の口元には笑みが浮かんでいた。これでは、いくら包帯があっても足りないと実感する。
それに、伊作はだんだんこの状況が楽しくなってきていた。
普段は、それぞれに活躍している彼らが今ここで騒ぎ立てているなんて。
6年になってもこうしてみんなで集まっていられるなんて。
そういう何気ない日々を送れる今を酷く愛しく感じるのだった。
「ここ…保健室なんだけど?」
正座している彼らの前に怪しげな薬を持ち、仁王立ちしている伊作に逆らえる者は誰一人としていなかった。
((やべぇ…、盛られる!!))
<おわり>
なんだこれ!笑
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