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 そう、一年前はサヨナラもちゃんと言えなかった。  だって、あれが最後になると思わなかったの。  志朗は頭を冷やしてくると出て行って、でもちゃんと戻ってくるはずだった。  だから鍵も、携帯も財布も置いたまま、私の部屋を出ていった。  そしてそのまま帰らぬ人となった。 「あっさり死んじゃうなんて、バカじゃない」 「うん」 「車にはねられるなんて、注意が足りなすぎる」
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