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 その時の様子は、今思い出しても、背筋が凍りそうな思いがする。  透の機嫌が、嘗て見たこともないほど悪くなり、付いて来た友人も、やっぱり透は怖いやつと認識し、法学部の間では、透は怖いやつとの意見が定着してしまった。  一意が透はそんなやつじゃないといくら言っても、誰も一意の意見には耳を貸してくれなかった。  透のことを誤解されて、一意は口惜しかった。それで、教えないことにしている。
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