とある実験の研究成果

第1章 「前途多難」な日常

学園都市・・・それは総人口230万人を越える人々が生活し、その8割が学生というちょっと変わった町だ。

科学の最先端である学園都市はその開発ジャンルによって第1学区から第23学区に別れている。

第7学区は主に学生寮の集まる場所である。中高生をターゲットとした寮が多く日夜学生が行き来している場所なのだ。

そんな第7学区だが、学生が多く集まるということは必然的にトラブルも多いということだ。

゛完全下校時刻゛が定められている学園都市ではその時刻を過ぎると当然学生は町の表から姿を消していく。

・・・・・そう、゛表゛から。

第7学区には゛ケンカ通り゛というものがある。

もちろん正式にそう名付けられている訳ではないが学生の間ではわざわざ迂回してその道を通るのを避けて自宅に帰るという学生も少なくない。

そんなケンカ通りについて、最近゛2つの噂゛が学生の間で広まっていた。

一つはこのケンカ通りに゛最強の男゛が現れた・・・というものだ。

ケンカ通りで喧嘩をしているのは主に「スキルアウト」と呼ばれている無能力者達なのだが

その男は人間とは思えないスピードで動き回り情け容赦なく相手を殴り飛ばすという。

何らかの能力者であろうことは誰しもが感じたがそれが一体どんな能力なのか・・・

そんな彼の存在が今ケンカ通りの抑止力となっていることから学生の間では゛謎のヒーロー現る！！゛と注目されている。

2つ目の噂は、ケンカ通りでケンカの仲裁を行い「不幸だあああーー！！」と叫びながら疾走する不審人物がいるとかいないとか。