第1章 「前途多難」な日常

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「・・・・はあ、なんでいつもこうなるのかな。」 放課後、今私が歩いているのは本館とは別になっている部室棟の4階にある廊下だ。 部長である伏見はいつもこういう゛ちょっとした危険゛が伴うであろう取材を私に任せるのだ。 私が嫌だって言う度に部長は決まって「おまえの能力ならなんとかなるだろ」と言って私に押し付けてしまう。 ・・・・・・私、ただの低能力(レベル1)なんだけどな。 これで何度目であろう深い溜息をつきながら昇降口まで降りていき靴紐をしっかり結んで門を抜ける。 とりあえず゛ケンカ通り゛に行かなきゃ何も始まらないよなー・・・。 ・・・・・というわけでケンカ通りを歩きながら何か情報を知っていそうな人がいないか辺りをキョロキョロと見回していた。 そして、私はその時気付かなかった。 伏見部長に毎回も言われてやっと気付いたのだが、私は常時゛ニヤケ顔゛なんだそうだ。 そして私はこの時、そんなニヤケ顔で不良のたまり場のど真ん中で相手の顔をじろじろと観察していたのだ。 ・・・・それこそ、「因縁」をつけるように。 「よう嬢ちゃん、こんなとこに何の用かな?」 ・・・・・・あれ、私ピンチ?
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