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智代は8ヶ月の間に自分の目標を達成していた。
その目標とは思い出と約束を守るために桜並木の伐採を中止すること。
それだけでも大変なはずなのに、
その間ずっと俺のことを思っていてくれていた。
それだけ…
たったそれだけの事なのに…
俺の心にぽっかりと空いた穴が埋まっていくような感じがした。
でも彼女には彼女の人生がある。
智代と会えて嬉しいはずなのに、頭のどこかで教師や後輩の言葉を考えてしまう。
自分の気持ちに鍵を閉めて、もう一度突き放そうとしたんだ。
でも、智代は地位や名誉よりも俺といる方が良いと言ってくれた。
俺のところまで来てくれると言ってくれた。
固くしめたはずの鍵は意図も簡単に外されてしまった。
俺も智代と居たかった。
だから決めたんだ。
智代を守る。
ずっと安心していてもらえるように、
そして、何よりもずっと一緒にいられるように、
俺が頑張ると………
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