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朋也「そんな大袈裟な物じゃないよ」
智代「いいじゃないか。記念となる日を増やしていこう。
それは全部私達がふたりで過ごしてきた記念だ。
後でカレンダーのところに、朋也がひとり立ちした日と書いておこう」
俺の意見はお構いなしに話を進めて、そしてひとりで笑っている。
それは実に女の子らしい姿だった。
朋也「でも祝うにも、何もない」
生活に必要最低限の物しかないから、特別祝うようなものはない。
智代「私の手料理があるじゃないか」
智代はテーブルに並べられた皿を手でなぞる。
朋也「いつもある」
智代「うん、いつもあるな。
でも、夕飯は週末だけだ」
日曜から木曜の平日は、智代は実家で家族と食べている。
こうしてふたりで食卓を挟めるのは週末だけだった。
智代「それでは不満か?」
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