120人が本棚に入れています
本棚に追加
朋也「いや……
贅沢すぎるよ」
朝には、お弁当も渡してくれる。
智代「だろう。ここまで尽くす彼女はそうそういないぞ。誇りに思え。
しかもまだ学生だ。学業と平行させてだ。
それでも成績は落とさない。
これはなかなかできることじゃないぞ。
自分で言っておいてなんだがな」
それは俺も凄いと思っていた。
そしてそれは智代の意地だと思った。
もう二度と過ちを繰り返さない。
自制心を持って。
智代「では、冷めないうちに頂こう。
おめでとう、というのもヘンだからな。
これからも頑張ってくれ。きついだろうけどな」
朋也「そうでもない。おまえがいてくれたら」
智代「そうか。うん、そう言ってもらえるとうれしい。
私も朋也がいてくれたらなんだって平気だ」
そんなふうにお互いの思いを口にして確かめる。
いつもならそのまま、その口でお互いの口を塞ぎ合うのだが…
智代もそれがもどかしいのか、目を伏せて、ふたりの間に立ちふさがるテーブルを見ていた。
'
最初のコメントを投稿しよう!